全ての部屋が四畳半の家
昨今の住宅では、内部用途が面積に支配されていることが多い。『LDKは○○畳以上ほしい』、『洗面所は狭くていい』などの声から設計がスタートするケースも少なくない。親と共に幼少期を過ごす中で、用途による面積的ヒエラルキーが染みついていると予想される。こちらの計画では、全ての用途を居住空間として最もミニマルな四畳半に統一した。四畳半の部屋8個で構成された住宅である(1つの部屋は、床、壁、天井全てが四畳半のキューブ構成)。一般的な住宅に比べ、浴室は広く、リビングは狭い。用途による面積的ヒエラルキーを無くし、全てフラットな構成とした。
外的パラメーター
面積を等価されたキューブは、その配置が重要なパラメーターとなる。『東西南北』は素より、『畑に面する』、『道路に面する』、『隣地に面する』などの外的要因により内部空間での体感温度が変化する(外的パラメーター)。
内的パラメーター
それぞれのキューブを少しづつズラしながら配置することでスキマが生まれ、このスキマが半外部空間となる。このスキマとキューブとの関係性がもう一つのパラメーター(内的パラメーター)となる。
四畳半がもたらす豊かさ
面積ではなく2つのパラメーターの変化によりキューブ(住まい環境)の個性が変化する。そんな新たな住宅を目指している。