外部空間をとりこむ住まい / アウトドアリビングの家
木造二階建て・建築面積19坪/延べ床面積32坪の住宅です。計画地は神戸市北区にある、空が広いのどかな住宅地の一角ですが、ここが特別なのは、川沿いの桜並木に面しているところ。プライバシーをうまく確保しながら、この桜並木を一年中感じられる空間ができれば、素敵な住まいになりそうだと考えました。
プランではコストのことも考え合わせ、外部空間を積極的に活用しました。見るためのガーデンでもなく、年に数回しか使わない野ざらしのテラスでもない、新しい外部空間=アウトドアリビングです。
アウトドアリビング
内部空間を増やすのはコスト的にも限界があります。そこで、外部空間をアウトドアリビングとして利用することで、坪単価を抑えながら空間の広がりを確保することを考えました。開口部には幅3.6m/高さ2.5mのフルオープンサッシを配し、ウッドデッキもイタウバ材を内部のフローリングと同じ方向に敷くことで、LDKとひと繋がりの空間に感じられるように配慮しています。
外観とプライバシーの確保
プライバシーの確保のため、開口部のほとんどはアウトドアリビングに向いて設置されています。そのため正面ファサードも、プリミティブなかたちで無垢な印象のデザインとなりました。それをいかして植栽はシルバーリーフなどグレー系の下草を中心にあしらっており、全体をモノトーンに。絵本に出てきそうな世界観をめざしています。
玄関
プレイコーナー、LDKとガラス越しにつながっています。玄関ポーチからプレイコーナー、LDK、アウトドアリビング、桜並木と、視覚的に一直線にみることができます。
LDK
LDKのオープンキッチンは、フルオーダーメードの長さ4mのもの。壁面の棚はあえてオープンにし、家電も積極的にインテリアとしてとらえる考え方です。存在感のある冷蔵庫は少し隠れた位置にあり、その奥は見せたくないものを収納するパントリーやゴミ箱置き場を配しました。キッチンと同じデザインのワゴンが、アイランドテーブルや配膳スペース、作業台として活躍します。