地下地上空中の平屋
斜面地を含む敷地の高台の細長い平地部分に建つ、見晴らしの良い家です。家族は夫婦とお子様2人。家のいろんな場所から異なる景色を楽しめることと、斜面地に秘密基地のような地下室を、との要望でした。
地下/地上/空中というのは、地球が在るという根源的な出来事によって生じた3つの空間の質の違いです。その3つが斜面と眺望との関わり方を反映しながら、それぞれの特質をより引き出せるような窓と室内空間を意識し、計画しました。
外観
奥行きの浅い平地に対して、車2台のスペースを後ろの道路側に斜め横付けに配することで、斜面に面して建物を細長くして家の全ての場所が眺望に面するようにしました。それと斜面の上端のカーブにそって建物もくの字に折り曲げました。そのことで違った2つの角度で異なる景色が楽しめます。
平地に収まりきらなかった面積は、斜面に半地下の寝室と、空中に持ち出した和室に割り当てました。平屋なのに地上から隔たった地下と空中にも部屋が在るのは斜面地ならではの建ち方とも言えます。
リビング空間
森と空と街並みの景色がリビング空間を拡張します。森の緑に赤、空の青に黄色と、景色の補色を室内に施し、日常的な賑やかさを演出。
寝室
斜面を横向きに掘った半地下の洞窟の縁に寝ているような、自然の草地と一体となった寝室。横になると夜景と星空も見えます。
空中和室
空中の和室。掛け軸の絵のように明石大橋を縁取る窓と、斜面地の草木が見え隠れする床の間のような床窓。