ドードーの家
山梨県の田畑が広がる田園地帯の一角に中庭を囲うような平家の住宅を考えました。
敷地周辺は都心に比べ、比較的広い敷地が売買されている地域になり、パラパラと戸建住宅が並んでいるようないわゆる郊外の田園風景の敷地になります。そんな広い敷地にパラパラと建物を建てるような、敷地の使い方をしている周辺環境において、建物と建物の間を考えることなく、住宅を建てていくことに違和感を感じました。庭という名前の広大な空き地は無計画に放置されており、結局人気がない空間になってしまい、有効に活用することができていないと考えました。
中と外が融合する空間
計画の中で、有効な外部空間を手に入れ、敷地全体を使うために、中庭を用意し、その中庭を囲むように個室を配置する、内部に開いたコートハウスの住宅を作りました。中庭とその周辺の廊下との空間的融合で、広さを感じながらプライベートな外部を手に入れています。周辺の廊下は各部屋がポコポコと出たり入ったりすることで、幅員が操作させれ、広いところは立ち止まる空間、狭いところは動線空間となるような、街路のような空間としました。
関係性を繋ぐ「塔」
さらに建物の一部を2階とすることで、中庭を見落ろすような視線を獲得できます。用途は茶室、書斎、どうにでもなるような空間とし、1階の空間の広がりと打って変わって、小さい空間でありながら、中庭から存在を感じることで、つながりをつくることで、広さを操作せずに関係性を操作する建物をつくりました。
コミュニケーションが自然と生まれる
ヨーロッパでは広場のそばに塔があることで、日本では寺院建築に塔があることで、その下にコミュニケーションが生まれたように中庭の広場と、廊下の街路、書斎の塔を合わせることで、洋の東西を含めたコミュニケーションの場としての町並みをスケールダウンさせて住宅に取り入れ、建物内部でコミュニケーションが生まれるような住宅を考えました。