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建築家にリノベーションを直接オーダーすべき絶対的な理由

0LDKの桜庭です。みなさん、建築家にリノベーションを依頼出来ることをご存知でしょうか?昨今、マンションのリノベーション済み物件を販売していたり、リノベーションを勧める広告など実際に見たり聞いたりしたことがあると思います。
しかし、建築家にリノベーションを依頼する!という選択肢ってあまり聞いたことがないのでは?ということで、実際に建築家のnagomさんに取材に行ってきました。お話を伺う中で、建築家に直接リノベーションを頼むことで得られるものは、メリットしかなかった!今日はそんなお話をしたいと思います。

建築家に頼む、リノベーションとは?

nagom 代表 茂木 哲

神奈川県横浜市に事務所を構える建築設計事務所。新築住宅やリノベーションの設計に加え、自身で家具の設計も行う。2021年に設立。設計を手掛けた「1Livingの家」は多くの雑誌やテレビなどで特集され、多数の受賞も誇る。

桜庭:今日はリノベーションについて教えてください!実際、いろいろな企業のリノベーション済み販売物件を見てきたのですが、こだわりを感じづらい印象です。nagomさんのリノベーション事例を拝見すると、その出来栄えに心打たれます。

茂木:そうですね。リノベーション販売物件というのは多くの人に合うように作られているため、どうしても似たものが多くなってしまっています。また、人件費および販売にかかる諸経費等のマージンなどもあるので、コストにそれらが反映されてしまうというのは仕方の無い部分ではあると思います。

桜庭:なるほど。であれば、私はその分のコストを住宅クオリティに反映して欲しいと思います!ちまたでよく見かけるリノベーション事例と、nagomさんの実例を比較すると質とレベルの差が歴然です。やはりクオリティの違いがあると、リノベーション済み物件と比べて価格は高いのでしょうか?

茂木:いえ、トータルの金額は同一程度だと思います。先述の通り、建築家には人件費や広告費のマージンが少ないので、その分クオリティに反映されるとお考えください。
よく、ハウスメーカーで家を建てる場合と建築家に頼むのはどちらがお得なの?という質問があります。例えば、同じ4000万円という価格で家を建てた場合、クオリティに大きな違いが表れます。なぜそうなるかというと、ハウスメーカーやそういった企業は広告宣伝費・営業人件費・住宅展示場運営及びプラン作成無料など、様々なところに経費が発生しています。そのため、クオリティにかけられる費用が少なくなってしまいます。その分、大手であることの安心感はあります。

*比較イメージ

桜庭:確かに、おっしゃる通りだと思います。身近な場所で気軽に相談出来るというイメージがあるので、その選択肢が真っ先に思い浮かんでしまいますが、実はコストとクオリティに影響しているのですね。では建築家の場合はどうなのでしょうか?

茂木:建築家の建てる住宅は、高そうとか敷居が高いという風に思われがちです。しかし、実は全くの逆だったりするのです。
例えば、建物が3000万円の場合、私の設計料が建築費の10%だとして合計3300万円。また、設計契約をして頂いたお客様にのみプラン設計をするので、経費幅は極端に少ない。マージンも営業広告費もありません。
よってその分のコストをクオリティに反映出来るというメリットがあります。同じ立地や価格と条件下でも、クオリティに差が出る部分はそういうところに在ります。1物件あたりの作業に掛けられる時間も随分と違うと聞きます。
それがマンションのリノベーションでも同様のことが言えるので、工務店さんやワンストップリノベーションをされている企業と比べ、同価格でもデザインや品質に差が生まれることもあります。

桜庭:もう、建築家に頼むという選択肢しか勝たん!今のお話を伺って、私なら確実に好きな建築家を選んで直接リノベーションをお願いするはずです。同一価格でも上のクオリティを選ぶでしょう。

建築家に頼むと、実際にどれくらいの費用感なのか?

今回取材を行なった、茂木さんの自邸でもある1Livingの家 提供:nagom

桜庭:読者がイメージしやすい、実際の費用感についてお伺いします。例えば、茂木さんのこちらにある事例(1 Livingの家)を、都内の目黒区に建てるとなるとどれ位の費用になるのでしょうか?事例と同じ66平米の場合でお願いします。

茂木:ここは私の自宅でもあるので設計料はかかっていませんが、このリノベーションを施した際に1500万円程度かかっています。ですので、設計費用込で総額2000万円程度でご提供出来るのではないでしょうか。

桜庭:2000万円で都内にこのレベルの住宅に住むことが出来たらめちゃくちゃ幸せですね。憧れます。

茂木:ありがとうございます。費用について補足をするのであれば、トータルコストで考えた方が良いのかもしれません。目黒区だとマンションを新築で買った場合は8000万〜1億円程度になります。その割に、新築マンションだとクロス張りで全面的に簡素な白の部分が多かったり、ユニットバスやキッチンが選べなかったりもします。

桜庭:はい、私も何度か新築マンションの見学には行っているので、おっしゃる通りだと思います。

茂木:そこで、ヴィンテージマンションや古いマンションで構わないので、気に入った立地で4000万円程度にて購入し、2000万円でリノベーション(設計料込)を施せばトータル6000万円なので、コストを抑えて豊かな空間を表現できるのかなと思います。
新築マンションの費用を抑えようとして探すと立地が悪くなってしまいます。郊外になるか、駅から離れるかという選択肢となり、何かを我慢しなければならない状況になってしまうと思います。

桜庭:以前、6000万円程度のフルリノベ済物件をみかけたのですが、その値段を出すのであればもっと出来ただろうなぁと、内心思ってしまったことがあります。建築家に頼むと、同価格帯で数段上のグレードの住宅が手に入るということですね。
リノベ済の販売物件はそこにマージンが乗ってしまっているので、そのマージン分をクオリティに還元出来るというのは、ユーザーにとってメリットしかないと思いますね。

茂木:もちろん。私の方で土地購入や不動産購入に関して様々なご相談にお応えしていますので、桜庭さんが仰るように販売物件よりもメリットを見出すことが出来ます。

家づくりの美学と理念

1Livingの家 提供:nagom

桜庭:nagomさんのリノベーション事例を見ると、クオリティはさることながら心が休息し、温まるような。それでいて人として自然体で居られる美しい住宅づくりをされているように思います。どういうものをゴールに見据えているのでしょうか?

茂木:住まいは家族が楽しく過ごせる場所であればどんな形でも良いと思っています。もちろん、私自身でも美しい空間という理想像は持っているのですが、それ以上にどう住まうか?という方が大事だと考えています。うまく家族に溶け込み、その背景となってくれる住まいとなれば嬉しく思います。

桜庭:確かに、茂木さんの思いがこちらの住宅からも大きく伝わってきますね。

茂木:私は住宅業界で15年程携わっているので過去の話をさせてください。
あるご夫婦は、家を建てる前は、服装もカジュアルでフランクに会話をして頂いておりましたが、工事後はいつお会いしてもカッチリとした装いで、会話の雰囲気も少し変わりました。良くも悪くも住まう場所というのは、人に大きな影響を与えてしまうものだと感じた機会でした。
こうした経験を踏まえ、設計をさせて頂いたご家族が、自然体で穏やかな気持ちで過ごして頂ける住まいづくりを目指しています。

桜庭:茂木さんの想いが込められた、心が穏やかになる家づくりをされているのですね。

茂木:そこがブランドコンセプトで「nagom」というところに繋がっています。

桜庭:ということは、nagomさんの名前は”和む”からきているのでしょうか?

茂木:その通りです。

桜庭:nagomの茂木さん、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

1Livingの家 全体図 提供:nagom

身近で手軽にリノベ物件を購入できるようになってきた昨今ですが、コストを含む住宅の質をこだわる方は、建築家に相談すべきであるということが分かりました。もちろん、探す手間が少なくワンストップでスムーズにリノベ物件を購入できるサービスは、手軽さがあって魅力的とも思います。
住宅というのは人生において非常に大きな買い物です。手間を拒まずクオリティを最重視する方は、先ずは建築家に相談してみては如何でしょう?
次回、後半記事としてnagomさんの違う事例をご紹介!お楽しみに!

nagom 新築設計、リノベーション設計、家具設計、店舗設計などを行う。神奈川を中心に全国対応可能な建築設計事務所。

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