光も風も入るシルバーの壁
大阪府堺市の住宅密集地に建つ木造2階建ての住宅。「プライバシーを確保しつつ、風と光を取りこむ居心地の良い住まい」がここに住むご夫婦の要望だった。またビルトインガレージの設置も優先順位が高かった。そこで私たちが出した回答は、シルバーのガルバリウム板で全体を覆うデザインだった。一見閉鎖的だが、窓や駐車スペースの存在感がなく、外からは生活の様子がうかがえない。
風が心地よく感じられる
風を通す工夫として外壁の一部、道路側と中庭側の2カ所にガリバリウム板と似た質感や色のスリット板を2枚、互い違いに並べた。視線を遮りつつ、通風を確保している。
光が行き届く
採光については、2つの中庭とドライスペースを少し離して配置し、それぞれに大きな窓を開けた。分散された中庭とドライスペースを通じて、1階にも2階にもたっぷりと光が入る。この心地よくオープンな中庭は各部屋から眺めることができる。
限られた敷地の中で大らかに住まう
建て坪約13坪、決して広いとは言えない上に敷地の外周が塀で囲まれている住宅だが、内部ではそんなことを意識させない開放感と広がりを感じさせる。プライバシーもしっかりと守る居住空間だ。
[Photo : 笹倉洋平]