庭を内包する家
  • GENRE
    CUSTOM HOME
  • TYPE
    TIMBER FRAMEWORK METHOD
  • DESIGN IMAGE
    MODERN
  • EXTERIOR
    PLANE / STUCCO

INFORMATION

PRICE
総建築費 2000万円台
坪単価 非公開
SCALE
敷地面積 165㎡
建築面積 64.6㎡
延床面積 99㎡
PLACE
神奈川県
METHOD
木造軸組工法
DETAIL
ウィークエンドハウス・全館空調・床下空調
COMPANY
松岡淳建築設計事務所
新築住宅 Aug.04.2022

庭を内包する家

敷地は鎌倉大仏でおなじみの高徳院や紫陽花で有名な長谷寺の徒歩圏内の山あいに位置しています。本計画は、いずれ定住することを想定しつつ当面は週末住宅として使用することを目的として建てられました。その性質上、日常を少し離れた非日常的な空間を楽しむことができる工夫が随所に施されています。
1階は大開口サッシを介して大きなデッキテラスと繋がった土間となっており、天井高5m以上の開放的な空間と床に直接植えた植栽などにより庭の延長として定義され、また小上がりになった和室の板間部分を縁側と見立てることで屋内と屋外が入れ子のようになっていて、日本家屋の室内から庭までを切り取ったような内部空間になっています。

料理を最高に楽しむための週末住宅

この住宅に求められたのは「家族や友人と共に料理を最高に楽しめる家」であることで、この正解のない問いにどう向き合うのかが設計のポイントでした。人によって何をもって「最高」と捉えるかが違うので丁寧にヒアリングを重ね、イメージの共有を図りました。
それは高価で充実した調理設備やインテリア化されたキッチン家具などではなく、これまで料理を通じて体験してきた楽しかった思い出の空間を備えることでした。ただし、単にその空間を再現するのではなく、この住宅での空間体験を通じて、さらに家族や友人と思い出を積み重ね展開していけるようにと考え、思い出の要素のみを抽出して抽象化した空間表現に留めました。

清々しい空間を実現するための工夫

この家のように天井が高く開放的なキッチンの事例は、世界的に見てもそう多くはありません。理由は簡単で、レンジフードの存在が空間を邪魔してしまうからです。これはどう頑張ってもなくすことができず、いくら開放的な空間を用意したところで、フードが吊られるなどしていたら台無しです。そこでこの家ではシンクとコンロを分けて、フードを壁側に設置して目立ちくく納めることでこの問題を解決しました。
レンジフードと同様に空間のノイズとなりうる照明機器やスイッチ・コンセントプレートなども、使い勝手を損なわない範囲内で目立たないように設置しています。

意図を汲み取って設計することの重要性

「料理を楽しむ」という言葉の中には、調理そのもののことだけではなく、その準備や食中、食後のことまでが含まれているということを想像できなければいけませんし、それを受け止められる空間でなければいけません。例えばダイニングと隣接した小上がりの和室は、自由にくつろげる場所として機能しますし、縁に腰かければ縁側のように使うこともできます。障子を閉めれば客間としても使うことができます。目的が明確だからといってそれに特化した空間を創るのではなく、余白や選択肢を作ることであらゆる状況に対応できる自由で多様性のある構成としています。
伝えられた言葉の通りに創っていたら、もしかしたら料理教室のような機能だけを満たした家ができていたかもしれません。お施主様の言葉にならない部分を汲み取れるかどうかで、満足度の高い家になるかが決まるのだと思います。

交流を生み出す空間構成

ダイニングと連続して設けられた大きなウッドデッキは、敷地の高低差を利用して2段構成となっています。その差は腰を掛けるのにちょうどよい高さになっていて、テーブルを置くだけでアウトドアダイニングとして、庭の植栽を楽しみながら食事をすることができるようになっています。
また、一般的には階を隔てるとその関係性が希薄になってしまいますが、吹抜けを介して1階を見下ろせる場所を作っているので、コミュニケーションが途切れることはありません。また、ダイナミックな視界の変化が生まれることで、窓の外に広がる景色の変化も楽しむことができます。
前述した和室も含めて、自然と交流が生まれる空間構成を意識して設計しています。

敷地の特性を活かす

浴室は、広い庭園を眺めることができるように大きな窓を設置し、露天風呂感覚で入れるようにしました。実はこの庭園は借景となっていて半永久的に建物が建たないことと、年に数回しか人が立ち入らない場所であることから実現可能となっています。ガラスやサッシの納まりは、この景観を損ねない方法が採られています。
その場所に最もふさわしい建物を建てるためには、何度もその場所に足を運び、敷地やその周辺の環境を読み解く必要があります。

→「庭を内包する家 -離庵-

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松岡淳建築設計事務所

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