大屋根の下に緑と住居が一体に展開する住宅
岐阜県岐阜市に建つ、夫婦2人と母のための新築住宅計画。こちらの住宅は、築100年を超える民家の立て替えとして計画された。元々建っていた民家への敬意や近隣の古い町並みを考慮して、和風の建物とする事や、法事用の8帖二間の和室を設けることなどが要望として求められた。
大屋根が住宅を包み込む
北と南に大きく開けた山の風景を生かすために敷地全体におおらかな切妻の屋根を架け、大きな穴を開けた。大きな穴からは鮮やかな緑が屋根を突き出し、穴の向こう側の山の風景が借景になっている。おおらかな屋根が敷地外とのプライバシーを緩やかに包み込み、屋根の下に内部と外部が等価に展開される住宅を目指している。
外観構成
建築の外観を奇麗に見せるため、樋はほとんど存在感なく納めていますが外観の西側は塀や壁の汚れや、隣地への影響を考えて屋根に樋を通した。
反対に東側は、道路からの建築の見え方を奇麗に見せた方が良いと考え、樋を設けず、塀の外側に雨を落とす様にした。ちょうど道路が二項道路だったので、セットバックした分に砂利を敷いてそこに雨が落ちる様にしている。
大屋根からな大胆な内部構造
切妻の屋根は内部にもそのまま勾配天井として現れ、天井の高い部分は吹き抜けとなったり、ダイナミックな体験を住宅の中にもたらしている。
街とつながる空間づくり
要望としてあった、8帖二間の和室は庭と連続性を持たせている。開口が大きいので風通しも良く、明るい空間となる。また、この住宅では左官業を営むクライアント自ら壁を漆喰に仕上、光の陰影や庭の緑の風景を映し込んでいる。
格子や造園によって生活の様子が、街に対して大らかに少ししみ出す様な建築を考えた。