愛車を眺められる住まい
二面道路に面した敷地で、夫婦と子供1人の3人家族のための計画である。施主は車好きで、LDKから愛車を眺めたいという要望があった。本来であれば建物とガレージが一体化したガレージハウスのようなイメージとなるが、家相的に車庫は分離しなければならず、それを考慮しながらも一体に魅せるのが求められた。そこで、車庫の建物を別にしつつ、車を内部空間から眺めて愉しめるような空間構成とした。
コンクリート打ちっ放しとガラス張りの外観
細い道路に面した北側は、主にコンクリート打ちっ放しとし、プライバシーも守っている。反対に、比較的大きな道路に面した南側では、一面ガラス張りとして開放的にした。壁の高さを調整したため、プライバシーを確保しつつ開放感が得られる内部空間としている。ガラスのサシの部分を細くし、面全体がガラスとして見えるようにしたり、ミニマルな印象の外観としている。
玄関ポーチ
北側に位置する正面の玄関から入ると、自転車置き場などで利用する玄関ポーチを設けた。玄関から入りすぐ廊下、ではなく、このように前室のような余裕を持たせた空間構成にすることによって、より特別感のある住宅となる。内部に入ると真っ直ぐ外へ視線が抜け、開放感を生んでいる。
愛車を眺められるLDK空間
LDK空間からガレージの愛車を眺められるよう、中庭に向け一面の窓を設置した。ガレージ、中庭へと、LDKからの見通しがよく、奥行きのある豊かな空間となった。夜間はスポットライトによる演出も加わり、昼夜ともに愉しめる。
キッチンはアムスタイルのオーダーキッチンで、空間に合わせたデザインとし統一性を持たせている。
DJブース・バスルーム
内部の一室には、要望によってDJブースを設けている。LDKのスピーカーと繋がっているので、ここから音楽を流しLDKで寛ぎながら音楽も楽しむことができる。施主は元々DJ機器を持っており、棚などは全て造作で仕上げることによって、既存の機器がちょうど収まるように設計している。
バスルームでは2面ガラス張りとし、これにより開放感が生まれる。公園の緑が借景となり、半屋外感も感じることができる。
和室
要望に合わせて、2階には客室となる和室を設けた。コンセントや空気口など、あらゆるものをスリットの中に収めることによって、統一感のある空間美が生まれる。
[Photo : 石田篤]