家族をつなぐ、吹穴のある住宅
都心に近い核家族(夫婦+子供2人)の住宅です。
2階がリビングの都市型住宅で、この建物には家の中央に大きな穴を設け、どこにいても家族の気配を感じられるようになっています。玄関ホールでもあるこの穴には、一階から二階の天井まで貫く柱と天窓があり、明るい吹き抜け空間にもなっています。この「吹穴」は家の真ん中にあるので、リビングやダイニング、個室、お風呂や洗面の各居場所が、この穴という空白を介して、離れながら繋がるように計画しています。
住宅内に「吹穴」という空白をつくりだすことで、家族同士の適度な距離感や単純な床面積では計られない空間の心地よさをつくろうと試みています。
外のような開放的で明るいLDK
2Fには、3.5mの天井高さと4周にランダムに配置された窓と天窓によって、外のような開放感と明るさを持ったLDK空間が広がっています。ダイニングとリビングは「吹穴」によって居場所を緩やかに分けることで、ワンルームの中で生活シーンに合わせて、家族のくつろぐ居場所を持つことができます。例えば、子どもたちが少し離れたリビングで遊びながら、大人はダイニングでゆったり談笑しつつ、子どもたちを見守ることができます。
玄関をあけると、明るい大きな木質ホール
玄関をあけると、木質仕上げの洞窟のような空間と6mの大きな柱が、家族・来訪者を迎え入れてくれます。天窓から降りそそぐ日光によって、明るい玄関ホールは子どもたちの遊び場や、大人たちのちょっとしたくつろぎスペースにもなっています。
素材
1階のホール周りは、ドアを含め木製の素材で仕上げ、2階のリビング周りはグレーと白の明るいトーンで仕上げました。1階のホール周りに色彩的な重みを出すために、2階を明るく、1階のトーンを下げ素材感を変えています。リビング階から下を覗くと、地上に空いた穴から地下を覗いているように見え、逆に1階から上を見上げると、池の底から水面の上を覗いているような感覚になります。