葉陰の家
この住宅は長年の海外勤務生活から帰国された施主の住まいとして計画をした。施主は新たな生活を地域に違和感無く馴染ませることを求めたことを踏まえて、日本の典型的な田園風景と防風林に囲まれた集落が散在する中、南北に長い敷地の中央に建物を配置し、その南側は芝の庭、北側は自家栽培の畑として晴耕雨読の穏やかな生活を楽しめる住まいを提案した。
新しい生活を地域に軟着陸させる
新たな住宅は、平屋でソーラーパネルを最大限に設置可能な勾配屋根と地域土着の素材と外壁色を採用し、内部は天井の高いリビングを中心に東側は夫妻のプライべートなコア、西側は宿泊の来客のコアという明快なプラン構成と構造的安定の両立を図っている。
自然素材を使い、大らかな空間を
木質のおおらかな内部からゆったりと伸ばした庇の下のメインテラスが連続する空間で繰り広げられる生活は、外壁にびわの葉陰が揺れる遠い記憶の様な光景と共にゆったりと時間が流れている。
外の表情を取り込んだ、懐の深い住まい
また、施主の食物の自給自足や地産地消への感心に加え、太陽光発電、太陽熱温水貯湯、雨水貯水タンクといった自給エネルギー設備の設置も積極的に採用し、E2Vシステムを増設採用したことで地域の災害停電時には支障なく生活することが出来た。