商店街の喧騒の中に静寂で落ち着きのあるすまい
東京都立川市の商業地域に位置する、RC3階建てのガレージハウスプロジェクトです。敷地が高密度な商業地域のため、住居としての採光や通風、視線等に配慮した計画が必要となりました。クライアントの要望として、車2台とバイク3台のガレージスペース、広いオープンスペースがありました。そこで、一階全体をガレージスペースとし、2階・3階に居住スペースを設けることにより、採光やセキュリティ等の居住環境を改善しました。クライアントは安定的な温熱環境を好んだため、窓を減らし、トップライトやハイサイドライトから光を取り込む仕組みとし、外断熱としました。その結果、地上でありながら地下のような、都市の喧騒から距離を置いた、静かで落ち着いた空間となりました。
50畳を超えるLDK空間
2階居住空間においては、個室や収納等の生活空間をコンパクトにまとめ、人が集まれる大きなオープンスペースを設けました。2階全体の大きなワンルームの中にボックスインボックスで必要なプライベート空間を設けました。その結果、残りのオープンスペースは50畳を超える広さとなりました。内装や造作家具は素材を統一し、家具に可動性を持たせることで、使い勝手もよく統一感のある空間としました。
床が少し下がったシンプルなキッチン
クライアントは料理をほぼしないため、キッチンに関しては極力シンプルで良い。というご要望でした。そこで吊戸棚とワークトップを壁面から片持ちで設置しただけのシンプルなデザインのキッチンとしました。そしてキッチンの床は400mmほど下がっており、そこに造作のテーブルを設置して、食事などができるようなスペースとしました。
室内に光を取り込むサンルームとロフト
クライアントが直射日光を嫌ったため、2階LDK部分への採光は、2階と連続する3階のサンルームとロフトからの間接光としました。3階のトップライトとロフトのハイサイドライトからは、やわらかい間接光が差し込みます。そして3階とロフトは、壁面を空色仕上げとして、淡く水色の光が広がる空間としました。サンルームとロフトは拡散光をオープンスペースに届けると共に、煙突効果で自然換気を行う役割も担います。
ホテルライクなバスルーム
バスルームに関しては、明確な要望がありました。よく行かれるホテルのバスルームがとても気にっており、そのような間取りにしてほしい。とのことでした。入口入って手前の左にバスタブ、右に洗面台を設置して、バスタブの奥にシャワールーム、手洗いの奥にトイレを設置しました。バスタブは日本製の鋳物のものを設置しました。なお、入口の引戸はスチールのオリジナル建具で、斜めの壁面に建具枠を見せない、とても施工難易度の高いつくりとなっています。
木漏れ日螺旋階段
オリジナルのスチール螺旋階段です。ステップにランダムな三角の幾何学模様とすることで、上部に設けたトップライトからの光によって、木漏れ日のような心地良い陰をうみだします。デザイン過程では、3DCGでステップのパターン模様や各ステップのデザインを変えることで、どのような影が落ちるかを繰り返し検討しました。
ローリングテーブル
キッチンとダイニングの間に設けた、オリジナルデザイン家具のローリングテーブル。テーブル側板下部にキャスターがついており、可動式となっています。人数が少ない場合は、キッチン側に納めておけば、床の段差に座って食事やお茶をすることができます。パーティなど大人数の場合には、ダイニングスペース側に出すことで、座って食事をとることができます。
ガレージスペース
クライアントは車とバイクが趣味で、それらの駐車・駐輪スペースと、作業をするワークスペースが要望でした。それらのサイズ等はとても詳細に決まっており、使い勝手がとても需要ということでした。そこである程度設計が固まった段階で、原寸の1/1で道路にガレージスペースの間取りを描いて、そこに実際に車を持ってきて、使い勝手を確認して頂きました。