東京タワーと桜の眺めを生かした鉄筋コンクリート造の二世帯住宅
ご夫婦と3人のお子さん、おじい様の6人で暮らす鉄筋コンクリート造の二世帯住宅。近隣からの視線に配慮しつつ、東京タワーの見える南側の眺望と北側隣地の桜の景色を最大限室内に取り入れた住まいです。家族が多くの時間を過ごすLDKと子供の勉強スペースを2階に配置。親世帯の住居スペースは1階にリビングと寝室のワンルームと水廻り、子世帯の個室は3階に設けました。構造は耐力壁を外周部に配した鉄筋コンクリートの壁式構造で、室内に梁型や柱型が現れず、将来の間取りの変更にもフレキシブルに対応できるようになっています。断熱は外断熱構法として、要所に床暖房を設けることで室内の温熱環境を整えています。
カラーガラスや窓を組み合わせた開口部が特徴の外観
窓は、用途に合わせた機能ガラス窓を組み合せて一つの窓にすることで、部屋の構成が外から分からない外観になっています。鉄筋コンクリート造の外断熱で耐久性の良い磁器質タイル張りの仕上げです。1階は塀で囲みプライバシーを守っています。
アート作品が出迎える玄関ホール
床を光沢のあるゴールドの御影石で仕上げた玄関ホールは、この家のために製作されたアイアンのアートが壁に飾られ、正面の窓からの光を受けて輝くステンドグラスの衝立がお客様を迎えます。アートの反対側にはクローゼットやSICが造作され白い扉とすることで壁のように目立たなくしています。アートの下のキャビネットは宙に浮いて光り、ガラスモザイクタイルで仕上げたカウンターは、内蔵された照明を付けると、より輝きが増します。
おじい様の住居
おじい様のスペースはリビングと寝室のワンルームと水廻りがあります。リビングは小上がりの畳で掘りごたつ形式とし、2.4mのテーブルをこの部屋もために製作しています。リビングと寝室との間仕切りは、L字型の造作家具で、さまざまなものを収納。リビングの壁にはご趣味の写真が飾られています。リビング正面の掃き出し窓から出入りできる庭は塀で囲まれた、白玉砂利と十和田石の組み合せた床仕上げ。白い塀沿いにクロチク2本立ちを等間隔に植えています。
2階ホールと桜を借景する 洗面コーナー
2階ホールは、ゆったりとした大きさで1階ホールから続く御影石の床仕上げ。北側の桜を借景する窓に面する洗面コーナーは青いガラスの洗面器が置かれ、壁面にスリット状姿見で身だしなみチェックができます。混合自動水栓は白色のガラスモザイクが貼られた壁面に取付けられ汚れにくい仕様になっています。
アート作品のある2階ホールと トイレ
エレベーターの脇にアートが飾られた2階ホール。ホールにはお客様も利用するトイレがあり、トイレ内の手洗いカウンターは宙に浮かせて、背面の壁をガラスモザイクタイルで仕上げています。折り上げ天井の間接照明でガラスモザイクタイルをきらきらと照らし、カウンター下の間接照明で床面の広がりを生み出しています。家具はウォールナット天然突き板に焦茶に着色です。
東京タワーの見えるダイニングとリビング
広々とした36帖のリビングとダイニング。床は、明るい色合いの幅広のメープルのフローリング仕上げ。壁と天井は、においを吸収分解する漆喰の左官仕上げです。東京タワーの眺望をいかした窓、窓以外の部分はキャビネット収納やベンチ、トール収納を造り付けて、片付く家を目指しました。子供たちのデスクコーナーも一角に造作。ダイニングとデスクコーナーの間は間仕切りと収納をかねた既製品の本棚を置き、将来の変化に合わせて可変できるようにしています。
クローズドなキッチンとダイニング
リビングやダイニングにサービスしやすい位置にあるキッチンはクローズドなつくりで生活感を表に出さず、料理に集中できるようにしています。キッチンカウンターの背面、家電置場の裏にパントリーも隠れています。キッチンカウンター周りの壁は奥様お気に入りのガラスモザイクタイルを貼り、作業中の気分も上がります。天井段差のあるところに間接照明、ダイニングテーブルにはペンダントライト、遊び場にはラインダクトにスポット照明を配した生活のシーンに合わせて変化できる照明計画です。
桜を借景する小上がりの和室のあるリビング
リビングの脇の和室は、小上がりにすることで腰掛けになったり、おもちゃを収納したり。隣地の桜を目一杯取り込むように大きな窓も設けました。窓辺にカウンターを造作し、床は掘り込んで掘りこたつ形式に。ここでも子供たちは本を読んだり、勉強したり、気分転換に良い場所になっています。右手の壁に隠れた押入は、和風を抑えた設えで、リビングと調和させました。
階段の詳細と3階ホール
階段の踊り場は全面ガラスブロックの壁から光の入る明るい場所です。3階には子世帯の個室と水廻りがあります。3階ホールの壁にはニッチを設け、背面はガラスモザイクタイル貼りに。お気に入りの小物を透明なガラスの棚に飾ります。廊下はギャラリーで、子供の作品やアートが飾られています。
3階廊下の突き当たりにある吹抜
中廊下の突き当たり、暗くなりがちな場所にハイサイドライトの吹抜けをつくり、採光と通風を確保。また、その吹抜けはお気に入りのペンダントライトを吊るすための場所です。お好みのカラーガラスのペンダントライトをバランスよく配置し、昼夜とも心躍る空間になりました。吹抜けに面しているのは水廻りのドア。ドアを開けるとフェイバリットカラーのブルーが目に飛び込んできます。
子供たちの部屋と奥様のクローゼット
子供たちの部屋は水色の壁紙で窓を飾るのはその壁と調和のとれた生地のローマンシェードとカーテン。白色の造作クローゼットで間仕切り、将来2つに分けたり、一つの大きな部屋に簡単に改修できるようにしています。奥様のウォークインクローゼットは光沢のあるピンクの布クロスで仕上げ、この部屋のためにスツールも仕立てました。
落ち着いた色合いのインテリアで仕上げた主寝室
主寝室の床は、焦げ茶に着色されたフローリング、壁はゴールドの布クロスで、キングサイズのベッドを配置。コーディネートされたファブリックが彩りを与えています。クローゼットとAV収納を組み合わせた造作家具も焦げ茶に着色。窓の大きさを絞り明るさを抑えて落ち着いた雰囲気に。
東京タワーの見える書斎
主寝室の一角に設けた書斎コーナーは東京タワーの見える方向に大きな窓を設け、ガラス下部にシートを貼って視界をコントロール。上部に広がる景色が楽しめる気持ちのいい場所になっています。カウンターや本棚や戸棚は、明るい色調のシナランバーコア合板で造り、寝室とは雰囲気を変えています。
ブルーのガラスモザイク貼りの洗面室と浴室
ブルーのガラスモザイクタイルを壁一面に貼った洗面室と浴室。ガラスの仕切りで、窓の向こうまで見通せる明るく広々した一体の空間です。洗面室には二人同時使用可能な洗面カウンターを造作し、お化粧はこの明るい場所でスツールに座って行います。在来浴室の浴槽は水中照明やブロー付きで夜景を見ながらの入浴を楽しみます。
太陽光パネルも設置した広々屋上テラス
ホームエレベーターは物干しスペースのある屋上まで到達します。ステンレスで物干竿を造作しました。床は外断熱の上、置きタイル敷としています。腰壁パネル付きの手摺でエリアを2つに区切り、一方にはアウトドア用のソファセットを置きゆったりとくつろげる場所に。もう一方に災害に備えた太陽光発電パネルと、エアコン室外機を置いています。
[Photo : 安川千秋+Archiplace]