三角の芯と辺縁
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本計画はクルマ好きなヒトが集う週末住居である。クルマに囲まれ、語らう。クルマが主役となる週末住居ならぬ週末車庫のあり方を考えた。計画地は埼玉県羽生市の住宅地に位置する10m×12.5mほどの整形地である。
正三角形の計画
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諸条件を考慮すると、ここに集う数台のクルマをすべて建もの内に停めることは難しい。クルマは内に1台、他は外に停めることが本計画の前提となった。しかし、内外に分けられたクルマとヒトの関係をできる限り等しく扱いたい。そのためにヒトが集う場は、道路を含めた敷地の芯となる位置に、平面形は面を構成する最小単位でプリミティブな正三角形とし、そしてその形を等しく包む三つの辺縁をクルマの場とした。
シーンによって変化する主役
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建ものはその芯となる三角の一頂角を共有し、包括する相似の三角柱とした。芯の三角を除いた部分がクルマの場となる。敷地全体を劇場で例えてみると、芯の三角が中央舞台の三つ(一つは屋内、二つが屋外)の扇型劇場ができた形となる。舞台がヒトの場、背景と客席がクルマの場である。クルマが主役と意図した結果、主客は反転し、芯の三角に集うヒトが主役となる。そして背景、客席となる三つの辺縁のクルマに囲まれた舞台で主役は語らう。
異なる素材の調和
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屋根、外壁はクルマがもつモノコック構造にあわせ、同一素材(シングル材)で包み、内壁はクルマの駆動音を吸収し、仕上げ不要な木毛セメント材とした。天井は芯の三角領域を視覚的、心理的に補うように構造材を現しで配置した。
ヒトとクルマと暮らし
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週末車庫という本計画において、ヒトとクルマのより心地のよい関係性を求め、その一つの答えを示したいと考えた。