イエニワハナレ
夫婦と子供2人、4人家族のための住宅の計画です。敷地は40年程前に造成された住宅地の一画にあります。この住宅地を訪れた際、全体的に窮屈で閉じた雰囲気、緑も少なく暗い印象を受けました。そこで余白のある配置計画、なじむ佇まいとすることで 周囲に良い影響を与えられる住宅を目指しました。
角度を振った母屋と離れがつくる多様な庭
建て主からは、こじんまりとした家と作業場のような倉庫を要望されました。そこで母屋と離れの分棟形式とし、道路側にはヴォリュームを抑え街に対して開いた離れ、敷地の奥には45度振って母屋を配置しました。そしてその隙間を用途の違う庭とすることで、敷地をまんべんなく活用し隣地にも採風と採光を確保することを可能としました。
大黒柱のある母屋
母屋は大黒柱と現しの小屋組で構成され、大きな木の下に包まれるような空間が広がっています。各室は別々の庭に面しており、季節ごとに表情を変える庭を感じることができます。
生活の一部となる離れ
道路に面した離れは、大きな木製引戸の開き方を変えることで外部との関係を調整します。時には建主がバイクや自転車のメンテナンスを行う作業場所であり、また時にはテレワークをする仕事場であり、庭を眺めながらお酒を楽しむなどのくつろぎの場ともなります。
佇まい
余白のある配置計画による敷地周辺のゆとり、軒の高さを極力抑えた離れの構えや、庭の木々が成長し住宅が包まれていくことで生まれるこの住宅の佇まいが、周囲に良い刺激を与え少しでも住宅地の印象が好転していくことを期待しています。