角筒の家
敷地は京都の住宅地。伝統的な街並みの市街地というわけではなく、周囲は一般的な住宅や古い木畳の住宅、中層のマンションなどが混在している。北と西には、高さ500メートルの山、南と東は街。3階より上は眺めがよい。
この建築は、コンクリートの角筒を2列、4段積み上げたデザインだ。デザインの手法としては、横にも上にも永遠に積み上げられる。今回は住宅なので、3段にフェイクの1段を上に加えて、4段とした。横には、この住宅に適切な大きさを検討して、2列。単純な方法のデザインだが、内部の空間の快適性と、この角筒のサイズがちょうどぴったりとあった。
角筒の内部空間
1段目/1階はエントランス。玄関のドアから建物の奥につながるまで通り抜ける空間だ。筒のセンターにこの家のシンボルツリーであるもみじを配置している。2段目/2階は2列とも寝室(寝室が3室とWIC,それぞれの寝室が大きな窓と面するデザインである)
光が揺らめくトップライト
3段目3階は2つの筒が内部で一体になって広い空間をつくる。3階の上、つまり、屋根に大きな2mの正方形の開口(トップライト)を2つあけた。トップライトの中心は、角筒の中心である。この2つのトップライトの光は、1日の時間の変化、季節の変化によって、色、位置がかわる。そのトップライトの上はプールになっている。だから、その開口から入る光は、水のゆらめきとともに内部にも光のゆらめきをつくる。そして、リビングからは4階を泳いでいる人をみることができる。
風景を切り取るフェイクの角筒
4段目の角筒はフェイク(この中に空間があるわけではなくて窓になっているだけ)だが、このフェイクから街の風景を切り取り、屋上からの眺めを象徴的なものにしている。
角筒の地下
地下は隠れ家のような空間が広がる。このスペースはジムとして利用でき、リフレッシュスペースで疲れを癒すこともできる。
[Photo : 鳥村鋼一]