リノベーション
Oct.19.2021
駒沢のリノベーション
築30年の3階建てRC造、そのうち上階2層メゾネットに住むクライアント家族は知人を招いて集う機会も多く、今回のリノベーションを通じて複数の居場所を持ちながらも全体がつながる空間であることが求められていました。改装する上で制限の多いRC壁式構造の中で、できるだけ空間を分断させないようにレイアウトし、キッチンからすべての場所に目が届くスペースとなりました。
室内へ導くアプローチ
共用玄関からアクセスする専有階段では、高い天井や重厚なレンガ壁、街灯のように点々とした照明計画によって屋外のような空気感を意識しました。境界をできるだけ感じさせないようガラスだけで仕切り、室内エントランスまでその雰囲気を持ち込んでいます。
ひとつながりの空間でも変化する領域
味わいのあるコンクリート梁はそのままに、モルタル仕上の壁や大判タイルの床などグレートーンをベースにし、板貼りの天井や純白のキッチンなど、それぞれの素材を際立たせることによってメリハリのある空間を目指しました。天井の素材を切り替えることで、ひとつながりの空間においても領域の変化を作ることができます。
キッチンを囲いながら集う
壁に設けた開口は、キッチンからの目線を確保すると同時に配膳カウンターとしても機能します。日常でもパーティ時でも自然とこの場所を囲うようになることが、キッチンを孤立させないための工夫です。
屋根形状がもたらす楽しみ
建築制限により複雑な屋根形状となりがちな最上階では、むしろそれが屋根裏部屋のように楽しく篭れる小部屋を配しました。他の部屋とは雰囲気を変え、より自由に、よりシンプルなインテリアとして将来への自由度を持たせています。
