15Fboutique
見晴らしの良いマンションの一室は刷新され、シックながらラグジュアリーな空間が展開されている。クライアントの要望する、選りすぐった品々をブティックのように陳列し見せてゆく計画。結果として住宅の様相からは程遠い世界を望まれた。リノベーションの計画を依頼され、目の当たりにした住宅の平面は極めて非合理的で、家具の配置すらままならない間取りであった。クライアントと話し合い、まずどこまで現状を解体してゆき、スケルトンとして開放的に作れるかを模索していった。躯体も窓も変更することができない限られた枠の中で、クライアントの趣向を実現させてゆくことがマンションリノベの醍醐味である。
ブティックと住宅の融合
スケルトンから発想をスタートさせ極力無駄な間仕切りは排除し、ワンルーム化を促した。同時にインテリアは、住宅とブティックに通底する素材を吟味し、モノトーンながら粗さと艶が同居する形で空間にまとわせることとした。ダイニングテーブルやソファー、ローテーブル、ローボード、ジュエリーケースなど全ての家具が、空間を再定義するほどの重要な存在としてデザインされていった。
ブティックであり、美術館であり
またブティックさながら、こだわりの品々をカテゴライズしながら壁面ごとに収めた。ファッションだけではなく、現在は草間彌生やウォーホルなどのアート作品も少しずつコレクションに加わえ、ブティックどころか美術館のように進化を遂げている。
ミニマムに仕上げたラグジュアリーな住まい
生活の露出を最小限に抑え、ミニマルな緊張感と共に暮らす様を見ると、ストイックな精神がそのまま空間化したといっても過言ではないように思われる。ブティック的ではあるが、腕時計からファッション、小物、家具、空間へと通底するトーンは整合性があって実に気持ちが良い。不正形な平面から立ち上がる空間性とクライアントの嗜好を共鳴させ、唯一無二の「15F boutique」ができたのではないかと考えている。