親世帯を3階にした玄関を共有の二世帯住宅
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玄関を共有した二世帯住宅で、各世帯がお互いのプライバシーを尊重しつつ、落ち着いて暮らせる住まい。
ホームエレベータを設けて、日中家で過ごす時間が長い親世帯を3階に配置、共働きで日中は留守にしている子世帯を1、2階に配置。1年を通して陽当たりがよく視界が開けた南角に各世帯のLDKを配置しました。各世帯がほどよい距離感を保ちつつ、さりげなく気配は感じられるように、各世帯の物干しテラスを外部吹き抜けで繋げています。この地に長く暮らして来られたご両親が、今までのようにご近所の方と気軽に話ができるように、玄関脇には四季を感じられる小庭とベンチスペースを設けています。
外観
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1階のピロティは2台の駐車と駐輪スペースで、3階のボックスが浮かんでいるような形態は、木造の耐震工法であるSE構法により可能になりました。玄関ポーチ側の1階は板張り壁(不燃木材)で、前面に木陰のできる樹木と下草を植え、雨のかからない位置に木のベンチを造付け。街並みに彩を添える、ご近所さんとの交流スペースとしています。
玄関 ポーチ
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木のぬくもり感じさせる板張り壁(不燃木材)と、樹木と下草とコンクリート平板のナチュラルモダンな小庭が迎えてくれる玄関ポーチです。ここには、3階に生活の場が移ったご両親が、今までと同じようにご近所の方と憩えるように、ベンチも設けています。板張り壁はレッドシダー。二世帯共有の玄関の左側には、ゴルフセットやスキー板を収めるシューズインクローク、右側には天井までの大容量の下足入れ収納があり、右奥にホームエレベータと階段があります。
個室 音楽室
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ご夫婦共通の趣味であるサックスを自宅でも演奏できるように、簡易防音した念願の音楽室を1階に設けました。窓にはアルミサッシの内側に樹脂製の内窓をいれて二重とし、壁には楽器置き用の棚も造作。子供室はブルーの壁をアクセントとしてカーテンも色合わせ。高基礎の壁のフカシを利用できる部分には間接照明を仕込みました。
在宅ワークもできる書斎コーナー
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2階の子世帯では、LDKと水廻りをつなぐ廊下を在宅ワークもできる書斎コーナーとして、パソコンが置けるデスク、奥行きの浅い本棚、奥行きの深い収納を造り付け。ウエスタンレッドシダーの板張りの天井は、デスク前の物干しバルコニーや、LDKの外にあるバルコニーまで続いていて、水平方向に広がる開放感を演出しています。
板張り天井と横長窓で水平方向の広がりを高めたLDK
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2階子世帯のLDKでは SE構法の特性を生かして大きく開いた横長窓が開放感を生み出し、ウエスタンレッドシダーの板張り天井が広がりを強めます。ご両親とも一緒に食事できるように、窓沿いにはみんなが集まれるベンチを造作。アイランドキッチンはオリジナルで製作、天井高さは約2.6mで書斎コーナーより高くなっています。
キッチン
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アイランドキッチンは、カウンターをステンレス、面材をメラミン化粧板としたオリジナル。レンジフードによって視界が遮られないように、下引き方式の換気扇を組み込み。キッチン背面は家電・食器などの大容量の収納で、料理の時に開け放して使い、普段は隠すことができる引き戸を前面に設けています。隣にはちょっとした作業ができる、デスクを造付けた奥様の家事コーナーがあります。
テラス
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2階LDKの外には、3階が屋根状に上にのって、強い日差しや雨を防いでくれる、テラスがあります。ここは外の空気や風に触れたい時だけでなく、水栓を設けているので、汚れ物洗いや一時的なゴミ置きスペースとしても使える場所です。テラスの腰壁が道路からの視線を防いでくれるため、天井いっぱいの高さの大きな掃き出し窓を開けても気になりません。
二世帯をほどよい距離感でつなぐ物干しテラス
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2階子世帯の洗面室の外には、約畳の物干しテラスがあり、一部は雨がかからないため、雨を気にすることなく干したまま出かけることができます。3階には親世帯の物干テラスがあり、ここの外部吹抜を介して親世帯の様子が伝わり、時には直接声をかけることもできます。二世帯がほどよい距離感で繋がる、この二世帯住宅の大切な場所になっています。
親世帯 リビングダイニング
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3階(親世帯)のダイニングキッチンには、隣に腰掛けにもなる小上がりの畳スペースがあり、その下は収納になっています。畳スペースは引き戸で仕切ることもできるため泊まり客にも対応可。布団を仕舞える納戸が隣にあります。違い棚は旧住宅の玄関で使われていたモミジの無垢板を加工して再利用。長年親しんだ家の思い出を引き継ぎました。柔らかな光を室内に導く障子とアルミサッシとの間には、落下防止の手すりを目立たないように設置。寝室側の壁の上部は、間接照明を組み込んだ欄間になっています。
半クローズドなキッチン
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生活感がリビング側にあまり出ないようにした、半クローズドの親世帯のキッチン。コンパクトなスペースの中で、動きやすく無駄なく収納できるように、打ち合わせを重ね、キッチンカウンターの上下と背面に調理器具や食器などの収納を設け、キッチン出入りの側面には冷蔵庫置き場と、電子レンジなどの家電収納を設けています。
寝室
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親世帯は白とダークブラウンを基調としたインテリア。ベッドを2つ並べて置く寝室は、通路と一体的に広く使うこともできるように3枚の引き戸で仕切っています。上部は視線の通る透明の欄間としているため、引き戸を閉じた時も広がりを感じることができます。多くの季節は開けたまま生活します。 エレベーターと階段のあるホールには、掃除機を置いておける収納を大工さんに作ってもらいました。
工房
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貴金属加工の職人であるお祖父様の工房。工房は離れ的な位置にあり、一旦外の物干しテラスを通って行きますが、テラスには屋根が掛かっていて、床は木製デッキで、廊下から段差なく行ける作りになっています。長年使ってこられた作業台はリサイズして再利用。引き出しは元のものを修理し取り付け、壁にはウエスタンレッドシダーの板を張りました。
[Photo : 大沢誠一+Archiplace]