記憶を紡ぐエキゾチックなリノベーション
  • GENRE
    RENOVATION
  • TYPE
  • DESIGN IMAGE
    COUNTRY
  • EXTERIOR

INFORMATION

PRICE
総建築費 非公開
坪単価 非公開
SCALE
敷地面積 ㎡
建築面積 ㎡
延床面積 92㎡
PLACE
大阪府
METHOD
DETAIL
COMPANY
arbol
リノベーション Sep.05.2022

記憶を紡ぐエキゾチックなリノベーション

設計依頼のはじまりは、施主が大阪市内の住み慣れた場所で、仕事場を兼ねた住まいが欲しいと考えておられたところからである。住まう場所を軸に考慮すると都心ということもあり、土地の購入からではなく中古マンション+リノベーションを選択した。物件の購入前から、内装のご要望やご予算も含め相談を承り、はじめはリノベーションの雰囲気が希望に近い物件を参考にイメージの共有を図っていた。さらに空間自体に施主ご夫妻ならではの個性、感性、方向性を取り入れたい。どんな趣味を持ち、どんな暮らしを送っているのか。新しい住まいでどんな暮らしを叶えたいか。何が好きで、好きの感覚はどこから生まれてくるのか。その様なことを徐々に具体的に共有していく流れになった。

ヨーロッパを彷彿させる空間

プランの全体構成は、ドアを開けると通り土間のようなスペースがあり玄関ホールを兼ねている。幅広の廊下は地中海の街の路地を彷彿とさせる。その奥に広場の様なリビング、ダイニングキッチン、さらに奥にバルコニーの外へと続く景色が広がっている。またこの廊下を中心に、家族の寝室、ユーティリティへの動線となっている。

アーチ型を取り込む

目を惹くのはアーチのデザインと不思議な躍動感の天井のボリューム。ボリュームは用途を持ちつつ、躯体の柱や梁、壁の存在感を消すように配慮する事を心がけている。アールの形状を共通デザインとして取り入れ、有機的なゆるさをつくり出している。横に広いアーチの開口部、低めの天井はどっしりとした安定感と落ち着きを放っている。

素材の調和

柱の角は丸みを持たせることで柱そのものの存在を隠し、空間から空間へつながるスムーズな印象を与えている。天井のボリュームも梁を隠し、空間用途の境目を表す役割を担っている。壁と天井を同じ漆喰で仕上げ、連続性を生んでいる。オフホワイトの壁、グレイッシュな壁と天井。床は無垢材で、ダイニングの一部にもグレーの色を配色した。バルコニーへの建具は木製の二重サッシとし、見た目にも機能的にも考慮している。

造作家具で機能性を高める

皆が集まるダイニングには、使い勝手の良いビッグテーブルを造作した。時間軸で多目的にも活用する。朝は家族4人で朝食。後ろのワークスペースでは仕事をし、ビッグテーブルもそれぞれが自身の仕事をする場所となる。自由なタイミングで昼食を取る。夜は友人知人が集まり、持ち寄った料理やお酒で団欒の時間を過ごす。笑い合い、語り合い、仄暗い空間でゆったりと音楽に身をまかせる。壁面に飾られた絵画、レコード、旅先で見つけた小物など話に花が咲く。

光と影

照明は空間における器具の存在をおさえこんだグレアレスダウンライトを使用し、「光と影」をつくりだした。「影」は空間を立体的に演出し、対比となる「光」を強調する効果がある。グレアレスダウンライトから放たれた集光した光は、床材の木目や節の素材を強調し、ダイニングチェアの背板や、籐で編んだ座面の美しい影を床に映し出す。床や家具に光が反射すると、光の重心は天井から床付近にさがっていく。光を低重心におさえた空間は、くつろぎや、やすらぎなど人の心理にも影響を与える。

好きを詰め込んで豊かに住まう

インテリアグリーンは地中海沿いの雰囲気を思わせるエキゾチックな雰囲気の植物を揃えた。葉の美しさと育てやすさを重視し、鉢は漆喰の壁に合うもの、モダンだが、ほっこりとした抜け感のあるデザインを選んでいる。多趣味な施主に合わせて柄物やシンプルな鉢をミックスし、植物+鉢でリズム感を出している。
好きを詰め込んだ空間に集う人々、共に過ごし重ねる記憶、進化し続ける好奇心。この自由な心地良い空間で、語らい、育ち、家族・仲間と共に皆で暮らしと未来をつくっていかれることを願う。

[Photo : 下村康典]

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arbol

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