海へと視界が抜ける 眺望の住宅
探された土地は、自然豊かな伊豆の南端の見晴らしの良い高台でした。海の眺望を得るには、生活空間を2階に持ち上げなければなりません。要塞のような岩ボックスの上に透過する建築を載せるようなフォルムにて、2階はガラスを透過した空が見通せ、1階では岩ボックスの隙間の奥の緑へ視線を導くようにしました。
奥の緑へと視線が抜ける1階
1階のボックスは、玄関や趣味の倉庫に利用しています。階段の途中に設けた書斎は、デスクの高さを外のデッキ床と揃えて、日常とは異なる視点を下げた景色を楽しめるようにしています。
風景と暮らす
2階は南東と北西の両面をガラス張りにして視界を開き、一日の陽の移り変わりや季節の変化をパノラマ的に感じ取れるようにしました。
プライベートゾーンは両側の窓から離して中央に配置し、生活の機能が眺望の妨げにならないよう工夫しています。風景はそれぞれの居場所ごとに大きく変化し、時間帯によってもシーンが切り替わります。
自然と共に
伊豆は海の幸の宝庫です。釣った魚と、庭で育てた野菜とともに季節を楽しむ日々…。自治体との換地交渉や国立公園の建築許可を含め、竣工までは予期せぬ困難もありましたが、辛抱強く待ってくださったご夫妻に感謝するとともに、気持ちの良い家ができたことを嬉しく思います。