PIER
マンションの一室をフルリノベーションした「PIER」。空間の主役はLDKを横切る収納棚です。
身体が不自由な娘さんの生活スタイルを考え、LDKの中心つかまり立ち歩きの練習をするためのカウンターを兼ねた収納棚を設けています。
LDKの中心となる収納棚
この空間の主役は身体が不自由なお嬢さまが、つかまり立ちやつたい歩きの練習をするための、カウンターを兼ねた収納棚。LDKの真ん中を横切るように配置にしたのは、つかまり立ちした時に家族の顔が見えるから。高さ95センチのカウンターは、アイロンをかけたり、軽くもたれかかって作業をするのにとても便利だそうです。
空間を緩やかに仕切る
この上でキーボードも演奏します。壁にカウンターがついていたのでは、せっかくつかまり立ち歩きの練習をしたり、キーボードを弾いていたりしていても壁しか見えません。家族も彼女の背中しか見えないのです。そこで、カウンターを収納棚にして、部屋を横切るように配置。LDとワークスペースや廊下を緩やかに仕切る役割ももたせています。
木の素材が包む温かい空間
お嬢さまの暮らし方を考え、この住宅の随所にバリアフリーの設計を施しています。インテリアは北欧のもので統一し、ハイセンスな暮らしを望むことができるでしょう。
アイデアが繋ぐ豊かな暮らし
夜には大人が夜景を見ながらお酒を楽しむバーカウンターにもなります。この家具が家族の何気ない日常と色々な思い出を繋ぎ止める、桟橋のようになって欲しいと思っています。お嬢さまのことがなければ、このデザインは生まれませんでした。あたらしい気づきを沢山頂いたように思います。いつもポジティブに私たちの提案を受け入れて頂いたクライアントご夫妻、そしていつも明るく出迎えてくれたお嬢さまに、あらためて感謝の気持ちで一杯です。