INTERIOR

圧倒的な説得力。建築家が選ぶモダン住宅のオススメ家具たち

0LDKの桜庭です。自邸を美しく魅せるためには、インテリアコーディネートは欠かせません。美しい空間には、相応の美しい家具を。理想の空間コーディネートを叶えるには、家具についてある程度知識を入れておきたい。家具選びはとても奥が深い領域です!
そこで、美しい建物を設計する建築家が、家具を選んだらどうでしょうか?インテリアについて理解が深い建築家の皆さまに聞いてみたら、説得力のある秀麗なコーディネートが完成するでしょう。
今回は、長野県にある建築設計事務所、TNdesign一級建築士事務所の代表小澤氏に、実際に設計を手掛けた事例を基に、美しい空間を作り出すための家具選びについて伺いました。
建築家が選ぶ家具、気になりませんか?もちろん、家具選びにはこれが正しい!というような正解はありませんが、必ず皆さんの家具選びの役に立つかと!!

今回コーディネートイメージとした住宅事例

TNdesign 一級建築士事務所 代表 小澤 伸行

長野県長野市に事務所を構える建築設計事務所。住宅や店舗の設計に加え、家具等のトータルの提案も行う。2001年に設立以来、一般的な住宅とは一線を画する住宅建築を手掛け続け、受賞歴も多数。その芸術的な作品たちは高く評価され続けています。

今回、TNdesignさんが実際に設計を手掛けた「UT house」を空間イメージとし、小澤氏におすすめの家具をセレクトして頂きました。UT houseのインテリアジャンルはモダン。外観のユニークな造形美、内観の美しく整えられた空間美は、インテリアコーディネートに対する想像を掻き立ててくれます。
小澤氏が考える、このモダン空間にコーディネートしたい家具は如何に!!

小澤氏がセレクト「チェア」

まずは、リビング空間、ダイニング空間、それぞれにコーディネートしたいチェアについて伺いました。こだわりを魅せるためにうってつけのチェアのラインナップです。

リビングにはポール・ケアホルム「PK22」

まず、リビングに置きたいチェアとして選ばれたのが、FRITZ HANSENから販売されている、デンマークのデザイナー・ポール ケアホルムがデザインした「PK22」。このチェアは1956年に発表され、彼の傑作として現代にも大きな人気を誇ります。

美しいシルエットでシンプルなデザイン。そのフォルムは、あの普及の名作「バルセロナチェア」を彷彿させます。ポール・ケアホルムは、そのバルセロナチェアを超える作品を作るべく、改良を重ねてこの「PK22」を生み出したと言われています。モダンな空間に美しく溶け込む、汎用性の高い名作チェア。

●小澤氏から一言
PK22はミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェアのオマージュであり、ユニバーサルな空間に大変相性が良く気に入っています。シルエットの美しさ、より洗練されたフォルムが私のイメージの中にいつもあります。リビングに置きひと休みできると共に、インスピレーションを生み出してくれる、そんなチェアです。

ダイニングにはアルネ・ヤコブセン「アリンコチェア」

フリッツハンセンを代表する名作の一つであるアリンコチェア。1952年にアルネ・ヤコブセンによりデザインされた、美しい曲線を持つアーティスティックなチェアです。細身のシェイプでありながら、座り心地の良さも定評を誇ります。

見た目の美しさと信頼できる機能性の高さを持ち合わせており、その曲線美から空間に柔らかい印象を与えます。際立っている木目の模様も一点一点異なり、カラーバリエーションも豊富で、好みのカラーをセレクトし、コーディネートしやすいのも嬉しい。

●小澤氏から一言
ヤコブセンだとセブンチェアをよく聞くと思いますが、少しサイズ感が大きいような気がします。このアリンコチェアは我々日本人にはちょうどいいサイズ感で、且つそのシルエットは見ていても愉しいので好みです。私の事務所でも使用しています。

もう1作。ダイニングにSANAA「ラビットチェア」

小澤氏がダイニングにオススメしたもう一つのチェアが、SANAA(サナア)のラビットチェア。SANAAとは建築家、妹島和世と西沢立衛による日本の建築家ユニットであり、「建築界のノーベル賞」とも呼ばれる大変権威あるプリツカー賞の受賞歴もあります。SANAAがデザインを手掛けたこちらのラビットチェアは、ウサギの耳の様な形をした背もたれが大きな特徴であります。

左右非対称の「耳」とそのアイキャッチのある存在感は、空間のアイコン的存在となってくれます。コンパクトなサイズで取り入れやすく、アリンコチェアのように豊富なカラーバリエーションがあるのも魅力の一つ。一脚置くだけで、その空間の印象をガラリと変える存在感を持ち合わせてます。

●小澤氏から一言
ラビットチェアは日本製で安心感があります。その見た目から、より女性にピッタリな気もします。アリンコチェアのようにコンパクトで見た目の愉しさもあり、インテリアには最高です。自宅でも使用しています。

小澤氏がセレクト「ソファ」

リビングでは、一際存在感を放つソファ。ソファ一つで空間イメージは一気に変わります。モダン邸宅に、小澤氏はどのソファをピックアップしたのでしょうか!

デザイナーズソファ「OHASHI」 

出典:株式会社キルト工芸
https://kilt.co.jp/products/ohashi

世界から高い支持を得ているデンマークのデザイナー、クリスティーナ・ストランドとニールス・ヴァッスがデザインした「OHASHI」。過去にグッドデザイン賞を受賞し、そのミニマムでクリーンな雰囲気を実感させる美しいソファは、空間に洗練された印象を与えます。

出典:株式会社キルト工芸
https://kilt.co.jp/products/ohashi

シンプルだからこそディテールまでの追求が見える逸品。日本の家具の老舗メーカー・キルト工芸による、日本の高度な張り技術なくしては完成しないデザインとなっています。OHASHIは、デンマークと日本のデザインの「架け橋」となっているそうです。

●小澤氏から一言
北欧のデザイナーの家具といえば木で優しい雰囲気がほとんどなのですが、このOHASHIは非常にシャープであり、その素材感から北欧らしさも感じることができます。そこが気に入っているところであり、UT houseにも相性はバッチリです。

ちなみに、TNdesignさんのこちらの事例では、建主様がチョイスしたソファを配置したそうです。こちらのソファは、メイドインジャパンの高クオリティを誇るStory&Factoryの「SF10」。
小澤氏はファブリックより本革をコーディネートすることが多いらしい。また、ソファをオリジナルでデザインすることが多いらしく、既製では叶えられないベストマッチを実現することも可能だそうです。

小澤氏がセレクト「照明」

インテリアを演出してくれるのはなんと言っても照明の存在でしょう。光にもこだわりを見せてこそインテリアの超人。小澤氏がオススメの照明はこちら!

ペンダントライトはFLOS「GLO-BALL」 

UT-house_モダンを極める木造平屋
FLOS「GLO-BALL」はこの事例でも実際に取り入れられ、ダイニングとキッチンの空間で美しく輝きます。

ペンダントライトでオススメしていただいたのは、FLOS(フロス)の「GLO-BALL」。FLOSは1962年創立のモダン照明のトップブランドであり、世界的に活躍するデザイナーと数々の名作照明を生み出しています。GLO-BALLはUT houseにも取り入れられ、TNdesignさんでは定番になっているそうです。

GLO-BALLは、暖かく優しい上質な光で空間を演出します。シェードには一切影が映らず、360度どこからみても美しい存在に。モダンのみならず、様々なインテリアジャンルに溶け込み、あらゆる空間の表情を優しく照らしてくれます。

●小澤氏から一言
デザイナーの照明は個性が強いことが多々ありますが、GLO-BALLは柔らかい印象で、主張が強くなくて取り入れやすいのが良いです。我々の定番でもあります。

テーブルランプは「ToFu LED」

照明でもう一つオススメしていただいたのが、吉岡徳仁とヤマギワによるコラボレーションで生まれたテーブルランプ「ToFU LED」。日本のデザイナーである吉岡 徳仁は、建築、デザインから現代美術の領域まで幅広く活動し、Issey Miyake、Cartier、Louis Vuitton、Hermesなど数多くのグローバル企業とのコラボレーションを行い、彼のデザイン性の高さは幅広く認められています。

ToFu LEDは、透明なアクリルのキューブに灯具が埋め込まれ、アクリルの性質と光の分散で断面のみ発光。暗闇の中で光の多面体が美しく輝き、空間に洗練された印象と特別感を与えてくれます。”豆腐”のシンプルな完成形と、その裏側にある研ぎ澄まされた手技にインスピレーションを受けデザインされているそうです。磨きがかかったシルエットもとても美しく、置くだけでアイキャッチにもなる逸品。

●小澤氏から一言
ToFu LEDはヤマギワのラインナップに常にある照明です。デザインの由来や独特な感性がおもしろく、建築家と重なる部分がありとても気に入っています。ベッドルームに置いて、その光を眺めながらリラックスするのもいいかもしれません。

オーダー家具でより空間に磨きをかける

UT-house_モダンを極める木造平屋
こちらの住宅では、テーブル、収納、キッチンまでも造作で仕上げたそうです。

チェア、ソファ、照明と紹介してきましたが、小澤氏はテーブルや収納、その他の家具などはオリジナルでデザインし、既製はあまり使用しないと言います。空間にベストマッチするよう、自身でデザインしコーディネートするそうです。既製では叶えられないものもあるということです。

皆さまは、自分が思い描いてる家具が見つからなかったり、サイズが合わなかったりして、家具選ぶ際に壁にぶち当たった時、どうしていますか?既製で見つからなかった時、オーダーという選択肢もあります。新築やリノベーションをお考えで、家具などお困りの方は、インテリアなどトータルコーディネートしてくれる建築家に頼むのもいいと思います。

今回は、美しいモダン邸宅に合う家具を小澤氏にオススメしていただきました。建築家の皆さまが提案する家具は非常に興味深い。空間デザインのプロのチョイスは勉強になりますね。皆さまの家具選びの手助け、さらに美しい家具との出会いの場になっていただければ嬉しいです!
次回は第2弾、どんな家具が選ばれるのでしょうか。お楽しみに!!

TNdesign 一級建築士事務所 住宅や店舗、家具等のトータルコーディネートも手がける建築設計事務所。長野県を中心に、全国で活動。

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