南北の棟をスロープで繋ぐコの字プラン
敷地は南北に長く、南側接道で東西北側はかなり隣戸が近接した状況でした。建蔽率から一定の空地と、ご要望の床面積などからほぼ総2階とする必要がありましたが、限られた庭をどこに確保するのが難しい…。熟考の末、内部各所での採光通風や眺望と、プライバシー確保の両立を果たすべく、思い切って真ん中に庭を設けることにしました。ただし、その案の場合、中庭自体が暗く空気が淀むような場所にはさせないことが重要なミッションとなります。
内と外を格子で繋げる
そのひとつは、ご要望の2台分ガレージを密閉するのではなく、屋根はあるものの中庭とは格子を介して繋がる関係としました。風が抜けるのはもちろんのこと、適度に見え隠れする関係、特に夜間の外部照明の美しさなどを考慮してのアイデアです。
光を取り込む設計
もうひとつは、中庭の北側よりも南側の棟は高さを抑えること。より多くの自然光を中庭へ誘い、白壁の反射も含めて囲われながらも明るさを抱く空間とする企てです。その際、南北をつなぐ2階の床はスロープを採用(ルンバの使用も考慮)したのもこの計画の特徴です。
「見せる」設計
更にこの住宅の特徴として吊り階段が挙げられます。「見せる」階段として、これで思いつく方法は一通りやり尽くした感があります。(吊り階段の以外としては、側桁、イナズマ、力桁、トラス、螺旋なども含め)階段は住宅を設計する上で、意匠上の花形的存在でもあります。お好みの階段がありましたら、そこからイメージを膨らませた住宅設計のご依頼もお待ちしております。