公園の延長のようなワンルーム空間
東京郊外にある夫婦2人+子供1人のための住宅です。敷地は、南東の角地で道路より2m程度上がっており、目の前には広大な公園と、道路沿いに綺麗な桜並木が並んでいます。
大きな吹き抜けや、桜が見える大開口等、様々な要望が出てきたものの、敷地に対してとれる最大の床面積は限られており、吹き抜けを取ることと要望される空間の数が合わないことに気が付き、最終的には吹き抜けを取らずに2Fの床レベルを一般的なレベルよりも1m程度上げて、約3.4mの天井の高いホールをつくる計画とした。玄関を入ると、まず最初に天井の高いLDKへとでる。住宅のスケールというよりは外部が延長された半屋外のスペースのような空間になるように考え、窓の配置も高いところや低いところ、大きさもそろえずにランダムな光でホールが満たされるように計画しています。階段を上がっていくと少しずつスケールダウンし、徐々に従来の住宅のスケールへと変わっていく。大きな公園から桜並木をぬけ、半屋外のテラスのようなリビングを通り、少しずつ上ってベッドルームへと至る。その間には特に仕切りはない公園の延長のようなワンルーム空間となっている。
スキップフロアで、こもり感と開放感を両立
ご主人様と奥様でそれぞれ空間の好みが分かれておりました。奥様は開放的な大空間を、ご主人様はこもったようなスペースをそれぞれ望まれていました。限られたスペースの中でどちらも両立する方法として、LDKの天井高さを上げてスキップフロアにすることで、1Fは開放的な空間に、2Fは北側斜線に沿った勾配天井によってこもった雰囲気を同時につくりだしました。
細部の造作までこだわった、家具のような住宅
キッチン、本棚、洗面台、ハシゴなど全て大工さんでもあるお施主様の手作りで出来ています。細部までこだわって1つ1つ作りこむことで、全体が大きな家具のような手触りのよい住宅となっています。