市中の山居
  • GENRE
    CUSTOM HOME
  • TYPE
    TIMBER FRAMEWORK METHOD
  • DESIGN IMAGE
    NATURAL
  • EXTERIOR
    WOOD

INFORMATION

PRICE
総建築費 非公開
坪単価 非公開
SCALE
敷地面積 120㎡
建築面積 48.26㎡
延床面積 86㎡
PLACE
東京都
METHOD
木造軸組工法
DETAIL
COMPANY
有限会社ラブアーキテクチャー
新築住宅 Jan.17.2023

市中の山居

敷地は2つの用途地域境界に位置し、その北側の第一種低層住居専用地域には区画が大きい閑静な住宅街が広がり、その南側の第二種中高層住居地域には大きな集合住宅が建っている。ほぼ市条例が定める最低敷地面積120m2であるこの敷地に、建蔽率/容積率=40%/80%の制限内で周辺建物よりかなり小さい規模の住宅を建てて町並みを分断させてしまうよりは、2つの用途地域を繋ぐように、ヴォイドを内包する小さな住まいを大きく建てた方が相応しいと考えた。

用途地域境界における建ち方

建蔽率に参入されない2つの中庭を住宅の東西に配置した上で、屋根と中庭を囲う壁が形成するスカイラインを連続させ、周辺からは2つの中庭が住宅と一体に見えるようにした。

周辺環境と呼応するかたち

耐火制限の厳しい第二種中高層住居地域が敷地の南東に僅かに掛かるので、そこを避けるように建物を配置する。南北は開口が無い壁面にすることで、外部に対しては敷地に開口が向く南側の集合住宅と北側の戸建住宅に対して互いのプライバシーに干渉しないようにすると同時に、リビングからは東側の送電線や南側の引込み柱が見えないようにする。

周辺環境と呼応するかたち

一方、東西の屋根や庇は外部に対しては狭隘な前面道路からの通行人の視線を遮ると同時に圧迫感を与えないような、リビングからは西側に対面する住宅の庭を借景として、東側に送電線を遮蔽しつつ空を望めるような微妙な高さに設定しつつ、敷地中央に向かって高くなる。見たいモノへの志向性と見たくないモノへの遮蔽性のバランスで構成された建物のかたちは、建物のボリュームと庭の緑が交互に層を成す奥行きのあるファサードになった。

大きく住まうための設え

周辺環境と呼応するかたちで慎重に決められた大きな形態は、内部においても大きく住まうことを可能にしてくれる。1階は敷地の東西方向の奥行きを活かしながら和室、西庭、LDK、東庭と内外を交互に配置、天井をやや低くすることで内外が層状に連なる水平方向の広がりを意識させる。LDK南側の壁面は焼杉にして外壁と連続させ、それと取り合うサッシやカーテンボックスもその存在を消し去るようなディテールにした。視覚的効果のみならず2つの中庭が住まいの延長として利用されるように、東庭はLDKから連続するデッキ敷に、西庭には縁側と庇を配し和室と連携させた。

大きく住まうための設え

1階とは対照的に2階は、周辺環境や法的制限で決められた屋根勾配の違いがそのまま2つの個室を特徴付けていて垂直方向の空間の広がりを意識させる。天井の野縁を勾配方向に揃えた上で、天井の広がりを前景化させるように、個室1においては2つの窓をL型に一体化、個室2においてはカーテンボックスの存在を消し去るようなディテールにして、共にウォークインクロゼットの壁面は自立させ、コーナーをアールにした。

多様なシーンを内包させる光と素材

南側を閉じて東西に開く採光計画は、室内の光の状態を1日を通して目まぐるしく変化させる。その光の変化を鮮明に映し出すには、白よりはグレーの方が光の明暗がよりはっきりするし、単色よりは表情がある方が僅かな光の変化を拾ってくれる。そこで壁面は色粉を混ぜた漆喰塗りにして、その他家具や建具の仕上げも濃色で表情がある素材を選択した。光の乱舞に誘われるように動く視点の先には、玄関のブラケットライトやキッチンの水栓、階段のペンダント照明や個室の開口枠がアイストップとして機能する。

多様なシーンを内包させる光と素材

住まいの中で最も小さく素材の密度が高い和室は、離れ座敷として日常生活にちょっとした変化を与えてくれる。

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有限会社ラブアーキテクチャー

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